【病気のリスク】
FTM(Female-to-Male)の方々が
子宮と卵巣を摘出せずに長期間ホルモン注射を受ける場合、いくつかのリスクが考えられます。以下に詳しく説明します。
1. 血栓症リスク
ホルモン注射により、特にエストロゲンを使用する場合、血栓症のリスクが増加することがあります。特にMTF(Male-to-Female)の方々に関して、エストロゲンによる静脈血栓症が報告されています³。
2. ポリサイトヘミア
FTMの方々はアンドロゲンを使用することで、赤血球数が増加することがあります。
これはポリサイトヘミアと呼ばれ、
血液が過剰に厚くなる状態です。
定期的な血液検査でヘマトクリット値を
モニタリングすることが重要です。
3. 生殖器のリスク:
子宮と卵巣を保持している場合、
これらの臓器に関連する癌(ガン)の
リスクが考慮されます。
ホルモン補充療法により、これらのリスクが増加する可能性があります。
4. 心血管リスク:
長期間のホルモン注射は、心臓病や脳卒中などの心血管リスクに影響を及ぼす可能性があります。ただし、これらのリスクは個人によって異なります。
5. 骨密度の低下:
長期間のホルモン注射は、骨密度の低下を引き起こす可能性があります。骨密度のモニタリングと適切な栄養摂取が重要です。
総じて、ホルモン注射を受ける際には医師との相談が必要です。個々の状況に合わせて最適な治療プランを立てることが重要です。
【デメリットのお話】
FTM(Female-to-Male)の方が
ホルモン注射のみを受けて性別適合手術をしない場合、いくつかのデメリットが考えられます。以下に、その点を詳しく説明します。
1. 身体的な変化の限界
- ホルモン注射のみでは、一部の身体的変化を実現できますが、完全な男性的な外見には至りません。例えば、声の低さや体格の変化は限定的です。
2. 社会的な適合の難しさ
- 性転換手術を受けない場合、社会的に自分の性別に適合することが難しくなります。名前や性別表記、公共のトイレなどで違和感を感じることがあるかもしれません。
3. ジェンダーディスフォリアの持続
- 性転換手術を受けない場合、身体的なジェンダーディスフォリア(自己の身体が自分の性別と一致しない感覚)が続く可能性があります。これは精神的なストレスを引き起こすことがあります。
4. 自己肯定感への影響
- 性転換手術を希望しているのに叶わないことは、自己肯定感に影響を与える可能性があります。
5. 医療的な管理の必要性
- ホルモン治療を継続するためには、定期的な医療的な管理が必要です。ホルモンの投与量や副作用の監視が必要です。
デメリットを理解した上で、自身の選択を慎重に考えてください。
社会的リスク
社会的リスクについて考える際には、各個人の状況や地域、文化、社会的サポート状況などによって大きく異なることを念頭に置いてください。FTM(Female to Male、女性から男性へ)の人が手術を受けなかった場合に直面する可能性がある社会的リスクには、以下のようなものがあります:
1. 差別や偏見:
- 性別不一致の状態が他人に明らかになった場合、差別的な扱いや偏見にさらされるリスクがあります。
- 職場や学校、公共の場などでの差別や
ハラスメントを受ける可能性があります。
2. 心理的ストレス:
- 社会からの不理解や非難により、心理的なストレスが増加することがあります。
- 自己認識と社会的認識の間にギャップがあると、自己評価や精神的健康に負の影響を及ぼすことがあります。
3. 医療機関での問題:
- 適切な医療ケアを受ける際に、医療従事者からの無理解や不適切な対応を受けるリスクがあります。
- 健康管理に必要な医療サービスを受ける際に、不便や不安を感じることがあるかもしれません。
4. 社会的孤立:
- 周囲の人々(家族、友人、同僚など)からの理解が得られない場合、孤立感を感じることがあります。
- 支援ネットワークの不足により、孤立した状況に置かれることがあるかもしれません。
6.性的暴行を受ける可能性
性的暴行のリスク:
- ターゲット化された暴力:
トランス男性(FTM)は、
トランスフォビアに基づく暴力や性的虐待のリスクが高まることがあります。
- プライバシーとセキュリティの問題:
プライバシーの保護が難しい場合や、
性別を理由に他者から狙われる可能性があるため、個人の安全策を講じる必要があります。
3. 精神的健康:
- ストレスと不安:
社会的差別や偏見に直面し続けることは、ストレスや不安、うつ病などの精神的健康問題を引き起こす可能性があります。
- 自己肯定感とアイデンティの確立: 自分の性別認識と外見との不一致が続くことで、自己肯定感に影響を与える可能性があります。